氏名 |
ひさやま てつひろ 久山 哲廣 HISAYAMA, Tetsuhiro
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e-mail |
t-hisa@kwuc.ac.jp |
職名 |
教授 |
所属 |
家政学部栄養学科 |
主要担当科目 |
微生物学,食品衛生学,臨床栄養生化学,臨床栄養薬理学,食品衛生学実験,微生物学(免疫学を含む。)(子ども健康学科),微生物学特論(子ども健康学専攻) |
現在の専門分野 |
微生物学,栄養薬理学,食品衛生学 |
オフィスアワー |
月曜4〜5限。それ以外でもどうぞ。弘明館3階 A302 |
学生諸君へ |
管理栄養士に求められているものは次第に大きくなってきました。資格取得はあくまでも前提。その上にいかに自分独自の考え方や応用力を積み重ねるか,という気持ちで毎日にチャレンジしてください。 |
経歴 |
最終学歴 |
東京大学薬学系大学院修士課程修了(1978年) 東京大学薬学系大学院博士課程中途退学(1979年) |
学位 |
薬学博士 |
職歴 |
東邦大学助手(1979年〜1988年) 東邦大学講師(1988年〜1989年) 徳島大学助教授・准教授(1989年〜2005年) 現職(2005年〜) |
学会及び社会における活動状況 |
主要所属学会 |
日本栄養改善学会,日本栄養・食糧学会,日本生化学会,日本薬理学会(学術評議員),日本平滑筋学会(評議員) |
受賞等 |
第1回日本心脈管作動物質学会賞,第1回循環薬理学会奨励賞 |
研究活動 |
(1) |
研究題目 |
サイクリックGMP合成酵素活性に対する機能的ミネラル,Caイオンの活性化作用に関する研究 |
研究の要旨 |
サイクリックGMPは細胞興奮性刺激に伴って産生される細胞内情報伝達分子(セカンド・メッセンジャー)である。本酵素活性は細胞質に存在する可溶性のものと細胞膜に存在する顆粒性のものがあるが,前者のみが生理的細胞内濃度(およそ10 ppb)のCaイオンにより活性化されることを見出し,その速度論的解析等を行なった。本研究は一酸化窒素合成酵素がCaイオンにより活性化され,その結果産生された一酸化窒素(NO)が可溶性サイクリックGMP合成酵素を刺激するという過程の存在を初めて示し得たものである。 |
研究成果の報告 |
A difference in effects of physiological Ca concentrations on activity of guanylate cyclase preparations obtained from the taenia caecum of guinea pig and from the longitudinal muscle of rat duodenum. Eur. J. Pharmacol., 52(3-4), 389-392 (1978) など。 |
キーワード |
サイクリックGMP,Caイオン,一酸化窒素,NO |
(2) |
研究題目 |
消化管内蔵筋における小胞体(細胞内Caストア)の機能に関する研究 |
研究の要旨 |
蠕動・振子・分節に代表される消化管内臓筋運動は栄養素の消化・吸収に必須な現象である。これら内臓筋の運動は機能性ミネラルであるCaにより調節されており,筋細胞内Ca濃度が上昇すれば収縮,下降すれば弛緩につながる。従って筋細胞内に存在する小胞体(細胞内Caストアとして機能する)はCa遊離およびCa取り込みを行なうことにより筋の運動に寄与することが考えられる。本研究では消化管内臓筋の小胞体にCa誘発性Ca遊離機構が存在すること,ならびにNa依存的に小胞体内Caが細胞外に排泄されること,リアノジンが小胞体からのCa漏出を促進して小胞体内Ca枯渇をもたらすこと等を初めて示した。 |
研究成果の報告 |
Ryanodine: its possible mechanism of action in the caffeine-sensitive calcium store of smooth muscle. Pfluegers Archiv - Eur. J. Physiol., 412(4), 378-381 (1988) など。 |
キーワード |
小胞体,Caイオン,Naイオン,リアノジン |
(3) |
研究題目 |
血管内皮細胞の一酸化窒素合成能に関わるCa流入機序に関する研究 |
研究の要旨 |
血管内皮細胞は生体内で血液が唯一接する細胞であり機能的にも一酸化窒素(NO)の産生・遊離を行ない,抗高血圧作用,抗血小板凝集作用を示して本態性高血圧,粥状動脈硬化,虚血性疾患などを抑制する極めて重要な細胞である。研究活動(1)の項でも示したように血管内皮細胞における一酸化窒素合成能は細胞内Caイオン濃度に依存する。血管内皮細胞におけるCaチャネルの開閉にチロシン・キナーゼが関与することを阻害剤を使用することにより初めて示唆した。 |
研究成果の報告 |
Tyrosine kinase may participate in Ca2+ entry for endothelial nitric oxide production. Jpn. J. Pharmacol., 67(2), 181-183 (1995) など。 |
キーワード |
血管内皮,Caイオン,Caチャネル,チロシン・キナーゼ |
(4) |
研究題目 |
血管平滑筋における一酸化窒素合成酵素の誘導機序に関する研究 |
研究の要旨 |
研究活動(3)でも述べたように当初一酸化窒素合成酵素は血管内皮細胞に存在すると考えられていたが,それ以外の組織である血管平滑筋にも存在しうることを他の研究者とほぼ時を同じくして見出した。この酵素活性は普段存在しないが時間が経つにつれde novo合成されることを示し,リポ多糖(LPS)や炎症性サイトカインによる誘導型一酸化窒素合成酵素遺伝子発現の発見に繋がった。同酵素遺伝子の発現過程に蛋白キナーゼCのαおよびnovel typeのものが関与すること,遺伝子発現調節領域の3つのNF−κB結合部位が協調的に活性化されることが必要であることを初めて示した。 |
研究成果の報告 |
L-arginine induces relaxation of rat aorta possibly through non-endothelial nitric oxide formation. Brit. J. Pharmacol., 102(4), 841-846 (1991); Role of protein kinase C isozymes in cellular functions and pathological conditions.,Folia Pharmacol. Japon., 119(1), 92-98 (2002) など。 |
キーワード |
血管平滑筋,一酸化窒素,NO,酵素誘導,遺伝子発現,蛋白キナーゼC,NF−κB |
(5) |
研究題目 |
食品中に含まれるポリフェノール類の抗炎症作用に関する研究 |
研究の要旨 |
内因性好酸球走化性因子であるガレクチン9遺伝子の発現機作とこれに及ぼすポリフェノール類の効果について検討した。インターロイキン1受容体の活性化によりガレクチン9mRNAの質的変化が起こり,スプライシングの変化が認められたが,この情報伝達経路がインターロイキン1受容体は修飾していることが示された。さらに食品中に含まれるポリフェノール類はインターロイキン1受容体のmRNA代謝系に及ぼす作用を抑制し,抗炎症作用を有する可能性が初めて示された。 |
キーワード |
インターロイキン,レセプターを介した酵素誘導,炎症性サイトカイン |